Let us know how it is going
2.‎1 記事を読む

論理

論理という主題は、誰でも簡単に使えるようになるような進展もなく、3000年以上も前から語られてきました。

「論理」とは、事実やアイデアを考え、そこから正しい判断を下す推論の主題を意味します。

簡単に言えば、論理とは、物事を説明するための能力だけでなく、アイデアや事実をどのように組み合わせて説明するかという学問です。 何世紀にもわたって、論理を科学と呼ぶ人たちがいました。 しかしそれだと意味が通りません。というのも、実際の科学は、既存の考えを証明したり、反証したり、新しい真実を発見したり、新しい考えを発展させたりするための、組織化された正確で完全な研究であり、何がうまくいくのかを確認するために合意された方法で情報を適用することによって行われているものだからです。

ですから、論理が本当に「科学」であれば、人々は考えることができるでしょう。 しかし、人々は論理的に考えることができません。

その「理屈」という言葉でさえ、全く好意的なものではありませんし、人々は自分たちの理解を超えていると思い、その主題に近寄ることも恐れることがあります。 論理の本を読んだとしても、それを理解しようとすると混乱してイライラしてしまい、実際には論理の本来の目的である「考え方」を学ぶことすらできなくなるでしょう。

しかし、グループや会社の組織化や経営を担当する人にとって、論理や推論力は非常に重要です。 もしそういった人が明確に考えることができなければ、正しい決断を下すのに必要な結論に到達することもできないでしょう。

多くの政府機関や政府全体、社会およびグループは、人々が論理を理解していないことを利用してきましたし、非常に長い間そうしてきました。 それは、人が明確にまたは理性を持って考えたり、自分で考えたりすることができない時に、デマを伝えたり、悪いまたは不快な動機(グループやムーブメントの目的)に対する支持を得ることで、人々は簡単にコントロールされてしまうからです。

こうして、論理という主題は支持を受けることはなく、むしろその逆だったのです。 論理の理解は抑圧されていたのです。

西洋諸国の学校でさえ、数学は「そのように考えるもの」として勉強しなければならない、と生徒たちを納得させようとしてきました。 もちろん、人はそのように考えたりしません。

管理者、経営者、職人、店員それぞれに、とても重要で必要な論理の使い道があります。 こういった人々が論理的に物事を判断することができなければ、コストが掛かり、時間も無駄にするような間違いを犯し、組織全体を混沌と忘却の彼方に追いやってしまいかねません。

作業現場や経営で各人が通常使っているものは、データ(情報)と状況(現在のデータが存在する大まかな場面)です。 彼らが自分の領域の困難や問題点を観察し、情報から自分の道を考えることができなければ、間違った結論に達したり、間違った行動を取ってしまうことがあります。 これでは事態が悪化するだけです。

現代人は、数学が論理の役割を果たすことができると考えており、この感傷的で見当違いな信頼のおかげで、その人を取り巻く状況の多くが完全な混乱へと向かっています。 なぜ見当違いなのかというと、人間の問題は非常に複雑でさまざまな要因(条件や状況)が絡み合っているため、数学では全く不十分だからです。 つまり、それでは十分ではないのです。

経営や作業現場に関わる人々が論理を理解していなければ、その組織は脱線してしまい、立て直して活動を続けるために途方もない非凡な才能を要することになります。 残念ながら、そのレベルの知性、技能、能力は、専門家を雇うことで非常に高いコストを掛けない限り、どのようなグループや組織でも容易に利用できるものではありません。 そうはいっても、組織の中で物事が改善される保証はありません。

歴史を通じて、論理はその支配者、指導者、人々によって知られておらず、使用されてもいないので、文明全体が死に絶えています。

ですからこれは非常に重要な主題です。

論理を解き明かす

Scientologyには、論理を理解して使えるようにする方法が含まれています。 これは、非常に難解な、ほぼ不可能な主題を取り上げて、シンプルにするという突破口です。 今、状況への解答は、見付けるのがはるかに楽ですし、あなたが生き残り、拡張することができるように、あなたの行動をより効果的にすることができます。 またグループや組織、文明にも適用されます。

その突破口とはシンプルなものです。

物事が非論理的になる道筋を明確に打ち立てる(認識する)ことにより、何が論理であるかを明確に打ち立てることができる。

言い換えれば、何が物事を非論理的、あるいは非合理的(狂気)にするのかを理解すれば、何が物事を論理的にするのかを考えることができるようになるということです。

非論理

人が情報を伝えたり、状況を他の人に知らしめる時に、それが非論理的になる正確なパターンがあります。 それらが、状況について人に不正確な考えをもたらすものです。 そうしたさまざまなパターンは「アウトポイント」と呼ばれます。それは真実として差し出されたものの、実際には非論理的であるとわかるひとつのデータ(情報または事実)です。 それぞれを例に挙げて、わかりやすく説明していきます。

省略されたデータ

省略されているもの、つまり言及されていないもの、存在しないものはアウトポイントとなります。

これは、省略された人物、物体、エネルギー、空間、時間、形態、順番、または省略された場面(何かが起こる、あるいは起こるべき場所や状況)で構いません。 そこにあるべきなのに省略されている可能性があるものは何であれ、アウトポイントです。

例えば、家族に郵送していたカードの郵便番号を忘れていた場合、郵便局で紛失したり、相手に届くまでに時間が掛かったりすることがあります。 これは省略されたデータです。 または、あなたは食事会を予定していますが、出席を約束していた友人が到着していないことを例に挙げてみましょう。 それは省略された人になってしまい、何かがおかしいと気付くことになります。 その友人がどこにいるのか気になったり、友人に何かあったのではないかと心配になったりするかもしれません。

通常、これは最も見過ごされるアウトポイントです。そこにないために、直接注意を引き付けないからです。

変えられた順序

順序とは、物事が起こる順番、または論理的な順番で物事がどのように続くかを意味します。

出来事であれ、物体であれ、大きさであれ、順序の間違っているものは何であれアウトポイントです。

例えば、3、7、1、2、4、6、5と連続している数字は変えられた順序、あるいは間違った順序です。 正確な順序は、1、2、3、4、5、6、7です。

1番目のステップを行う前に2番目のステップを行うと、一連の行動は混乱したものになりかねません。

アウトした状態の最も基本的なものは、順序が一切ないというものです。 (「アウトした状態」とは、何かが正しくないか間違っている、または欠けているという状況や状態のこと。) そのため、その人が持っている考えや信念が固定してしまい、その人は変えることができなくなってしまいます。 例えば、グループや宗教、人種が違うというだけで、それらに対して非常に悪い感情を持っている人には、このような傾向が見られます。 この人は、個々の人をありのままに見ることができず、代わりに自分の固定観念にしがみつき、憎しみを感じています。

この基本的なアウトした状態は、ディスアソシエーション(disassociation)と呼ばれる精神異常にも見られます。その状態では何かをその何かとは違うと考えたり、互いに関係のないものを同じものと考えたりします。 そのような人は、自分の考えや言葉と実際の環境を結び付けることができません。 この種の人はまた、話をある主題から他の主題(関連性がなく、脈絡もない)へと飛び、変えてしまいます。 この状態にいる人は、互いに関係しているものが見えない、または実際には関係のないものが似たようなものであると思うといった、非常に極端な例です。

「順序」とは、空間あるいは時間、またはその両方の間を一本の線のように進むことを意味しています。

順番がひとつしかないのに、その順番でない場合、アウトポイントです(先に取り上げた正しい数列の例のように)。

「順番」になっていないのに、そうなっていると思われるているものはアウトポイントです。

馬の前に荷馬車があるのは順番が逆であり、アウトポイントです。

時に、あなたにとって一番難しい仕事は、今やっていることを続けると、何かが起きてしまうということを誰かに説明することです。 その人には全く見えないかもしれません。 これは結末(何かの影響)です。 「あなたが座っているものの脚を切り落としたら、もちろんあなたは落ちてしまいますよ」、とその人に言おうとしても、その人にはわかりません。

これはまた警察にも当てはまります。 何かを間違って行ったら何が起こるかを人々に知らせようとしますが、人によってはその順序を全くイメージできません。 ですから、警察官の罰による脅しは、すでに素行の良い人には効果があります。というのも、彼らはより論理的だからです。しかし、盗みをしたり、他人に危害を加えたりする人には効果がありません。それは、その人たちが単に固着、つまり、その人たちの注意が継続的にあるアイデアか何かに固定されているからです。 ですから、「人を殺したら刑務所に入る」と言うことができます。そしてこれは当然の順序です。 しかし、復讐(ある人が悪いことをしたので、その人を傷付けたり、罰したりすること)に執着している殺人犯は、順序立てて考えることができません。 正しい順序を得るには順序立てて考える必要があります。

ですから、変えられた順序を目にする機会ははるかに多いのです。というのも、順序立てて考えられない人たちは、自分たちの行動や活動領域に存在する変えられた順序が見えないからです。

順序を思い描く練習をし、注意を変化させるドリルをしたら、あなたはこれを整理し、能力としてそれを回復することができます。

ある作家は、映画やテレビが人々の注意を固定し、彼らの注意が動かないようにしていることを知りました。 その例として、「カウチポテト」と知られるようになったものがあります。それは「座ってテレビを見ているだけで、活動的な生活をしていない人」という意味です。 また、親が子供を飽きさせないためにテレビをたくさん見せて育てていたところでは、順番を変えたり、順番が全くなくなってしまう傾向(思考した結果による行動)を持つ人が出てくるでしょう。 これは、テレビに固定されていたため、自分の周りの生活をありのままに見たり、体験したりしていなかったからです。

抜け落ちた時間

記されるべきなのに記されていない時間は、「抜け落ちた時間」というアウトポイントです。 これは省略されたデータの特殊なものです。

例えば、食事会の招待状が届いたのに、招待状に日付が書かれていなかったため、いつ予定されていたのかわからず、参加できなかったということになります。

また、抜け落ちた時間には、完全な狂気に陥ってしまう奇妙で危険な効果があるかもしれません。

例えば、1814年の新聞と1922年の新聞を日付を入れずに次々と読んでいくと、わかりにくい混乱が生じてしまいます。 その新聞は非常に奇妙に見えるだけで、その理由が理解できません。

ある状況を要約した報告書が、半年以上にわたる数々の出来事を含んでいるのに、そのことが述べられていなかったら、現状にそぐわない反応が起こりかねません。

狂っている人にとって現在は抜け落ちた時間であり、その人は恐ろしい過去から抜け出せず、現在を見ていないことを意味します。 狂人の集団に「現時点に来てください」と言うだけで、何人かは奇跡的に「回復」するでしょう。 そして疼きや苦痛のあった正確な日時がわかれば、多くの場合、それによってその疼きや苦痛は消えるでしょう。

時間に関する逸脱(非論理)は極めて強烈なものであるため、抜け落ちた時間は十分にアウトポイントと見なされるに値します。

矛盾するふたつの事実を耳にした時には、そのうちのひとつあるいは両方が嘘です。

プロパガンダ(多くの場合、真実ではない情報や噂)やその他の活動は、特に嘘を扱い、多くの騒動や動揺を引き起こします。

わざとやっているかどうかはともかく、嘘はアウトポイントです。 何かを守るために、誰かを守るためにと言われても、それは間違いであったり、慎重に考えられた嘘であったり、アウトポイントであることに変わりはありません。

嘘は何であれ、このアウトポイントの部類に入ります。 嘘の存在、行為、意図、何であれ、実際のものと違っているものは嘘であり、アウトポイントです。

フィクション(つくり事)は、何か他のものであると装っていなければ、当然ながら嘘ではありません。

したがって、嘘とは「実際の姿とは別のもの」あるいは「それが表しているものとは別のもの」を意味します。

例えば、新しい「ジャンボバーガー」を宣伝するポスターを見たのでファーストフード店に行ったら、広告のように見えなかったとします。そのポスターは嘘です。

深く考える必要はありません。あるものがある形で宣伝、提示されていたのに実はそうではなかったということがアウトポイントであると認識するのは難しいことではありません。

変えられた重要性

何かの重要性が実際の重要性から変えられたり、見た目が良くなったり、悪くなったりした時はいつでもアウトポイントです。

言い換えると、宝石商がダイヤモンドの指輪の価格を実際の価値の3倍にするなど、何かが実際よりも大きな重要性を与えられることがあります。

何かに対して、そのものの持つ重要性よりも低い重要性が与えられることもあります。 例えば、以前に中古屋さんで購入した家具を処分するためにガレージセールをしていた時、貴重な骨董品だと知らなければ、非常に安い値段をつけてしまうこともあります。

または、重要度の異なるさまざまなものが、まるですべて同じであるように、同じような重要度が与えられることがあります。

例えば、ある国の人に対する気持ちが固定している人は、「彼ら」はみんな同じだと思っていて、違いが見えないかもしれません。

これらはすべてアウトポイントであり、同一のものの3つのパターンです。

どのようなものも、その重要度を決定する場合、それが現実の世界で実際は何であるのかということに関係していることを知る必要があります。

間違ったターゲット

何かを成し遂げようとしている時に、誰かがミスを犯すと(Aに向かっている、または向かっているはずだと思っていたのに、Bに向かっている、または向かっていることに気が付いたなど)、アウトポイントになります。

これは、特定の人や物が実際は誰なのか、何なのかを正しく定める際によくある間違いです。 また、その人が間違っているのは目的や目標であることもあります。 例えば、「Xを取り壊せば、それで良くなる」と思っていたら結果的には取り壊されるべきものはYだったことが明らかになることはよくあります。

ここにも間違ったターゲットを選んでしまう例があります。 これか、あるいは似たようなことが過去に起きていて、誰かが王を殺すことにしたので、国民は課税されることから解放されるのですが、それでも、税金を集める男は生きたままで、次の政権の政府で使われることになります。

不当なジャスティスとは、誰かに対して不公平または不当な行為や扱いをすることであり、通常は間違ったターゲットと呼ばれるアウトポイントのことです。

不当なジャスティスで、間違ったターゲットの例としてですが、薬物を使った人は逮捕しても、薬物をつくって人に売っている製薬会社を表彰することがあるでしょう。

軍隊では、戦闘のために部隊、航空機、船舶を配置し、指示するその計画と方法は、ほとんどの場合、敵を弱体化させてから敗北させるために、敵を間違った方向に行かせたり、間違った目標を追いかけたりするための努力となります。

また、初対面の人を瞬時に嫌いになったり、憎んだりするのは、大抵、ビルがピートという別の人だと勘違いしていることに起因しています。 これも間違ったターゲットの例です。

多くの非合理性(賢明で合理的な方法で考えたり、行動したりしないこと)は、間違ったターゲット、間違った源、間違った原因に基づいています。

潰瘍がない時に誤って患者に潰瘍があることを伝えてしまうと、回復が遅くなったり、妨げになったりするアウトポイントで動けなくなってしまいます。

間違った目的や目標に費やされた仕事量は、千年分の世界を照らす分に相当します。

間違った源

「間違った源」は、間違ったターゲットと表裏一体であり、それはターゲットとは対照的に、何かが来る、または始まる場所、人、物のことです。

間違った源から得た情報、出された命令、入手した寄贈品または資材(供給品)というのは、結果的には混乱となり、トラブルの可能性へとつながります。

間違った源から何かを得ていることに気付かないでいると、非常に恥ずかしいこと、または混乱になるかもしれません。 実際、これは知性派の人たちのお気に入りのトリックです。 例えば、東ドイツの情報部(Department of Disinformation)は、密かに嘘のデータを配置し、それが来た源を隠すという非常に複雑な方法を取っていました。

より低いレベルでは、悪人から伝えられた情報を受け入れ、それを基に行動を起こすというのは、経営に誤りをもたらすお決まりの原因だということです。

相反する事実

ひとつの主題に対して相反する発言がふたつなされた場合、「相反する事実」が存在していることになります。

この非論理は「嘘」に分類することもできるでしょう。というのは、ふたつのうちのどちらかが嘘に違いないからです。

しかし、調査をする時には、その問題についての研究と考察をしないと、どちらが嘘なのかを言うことはできません。 よって、これは特別なアウトポイントになります。

例えば、「その週、会社の収入は平均を上回った」というのと、「彼らは従業員に給料を支払うことができなかった」というのが同時期に起こったとすれば、このうちの片方あるいは両方ともが嘘であるとわかります。 どちらが本当なのかはわからないかもしれませんが、これらが相反する意見であり、そのように分類できるということは確実にわかります。

誰かを尋問する時には、この点が非常に重要であり、ふたつの相反する事実を述べた人は、責任があると思われる主な容疑者となり、さらに尋問する必要があります。 例えば、「私はスイス市民です」と言っていても、手荷物の中からドイツのパスポートが見付かった場合、嘘を付いていると疑われてしまいます。

ふたつの「事実」が相反しているか矛盾しているかする場合には、どちらが真実なのかわからないかもしれませんが、両方が真実であることはあり得ないということは確実にわかります。

たとえ同じ組織内のふたりの異なった人物から出されたものであっても、その組織から出されたふたつの相反する「事実」はアウトポイントとして見なされます。

追加された時間

このアウトポイントは、抜け落ちた時間とは逆になります。 追加された時間というアウトポイントにおける最もありふれた例は、何かに掛かっている時間が、想定できる時間よりも長く掛かっているというものです。 これは相反するデータのバージョンのひとつでもあります。 例えば、何かをするのに3週間しか掛からないはずなのに、半年掛かると報道されたとしましょう。 しかし、人々は通常「合理的」、つまり何か意味が通るような言い訳を考え、それ自体がアウトポイントであると見なさないため、追加された時間はそれ自体アウトポイントであると認識されなければなりません。

最悪の場合、追加された時間は非常に深刻なアウトポイントになります。

例えば、ある人が、同一人物を巻き込んだふたつ以上の出来事が同じ瞬間に起きた(両方の出来事を経験できるわけがなかった)と述べたとします。 この場合、情報を真実にするためには、物質宇宙に時間を加えなければなりません。 つまり、その人は「私は1962年4月21日の真夜中、サンフランシスコからの船に乗りサイゴンに向けて発った」と言います。 それから、「私は1962年4月30日にサイゴンで任務を引き継いだ」と言います。 両方の出来事が起こるためにはここで物質宇宙に時間が追加されなければなりません。なぜなら、船がサンフランシスコから「サイゴン」に着くまでに2~3週間掛かるからです。

追加された、当てはまらない(Inapplicable)データ

誰かから報告された追加データ(情報)があるからといって、それがアウトポイントになるとは限りません。 徹底しようとしている人がいるだけかもしれません。 しかし、そのデータが光景や状況に不必要に追加されている場合、それは確実にアウトポイントです。

何度も加えられたデータは、仕事の怠慢を隠蔽したり、現実の状況を隠蔽したりするために、誰かから提供されることが多いのです。 それは間違いなく、その人が何かを見えにくくしているということです。

また、追加されたデータは通常、間違ったターゲットや追加された時間のアウトポイントも含みます。

このアウトポイントを使用する際には、実用的な状況では使用できない、または適用できないという意味の「当てはまらない(inapplicable)」という言葉も理解しておくようにしましょう。 また、データ自体が自分が直面している対象に当てはまらない場合はアウトポイントにしかならないことも理解しておきましょう。

誤って含まれたデータ

もうひとつ、「誤って含まれたデータ」と呼ばれるアウトポイントがあります。これは省略されたデータというアウトポイントに付随するものです。

通常、これはその人がその状況自体を理解していない時に起こります。というのも、その人はそれを良くわかっておらず、最初にデータを分類する必要があることを知らないからです。

例えば、カメラの保管場所の担当者がカメラの種類を知らないとします。 特定のカメラに必要な部品をひとつの箱にまとめるのではなく、すべてのカメラのレンズフード(直射日光を防ぐためにカメラのレンズの上にフィットするアタッチメント)を「レンズフード」と書かれたひとつの箱にまとめてしまいます。 そのカメラを組み立てたり使おうとしたりする人は、「カメラの後部」、「レンズ」、「三脚」などと小ぎれいにラベルの貼られた箱ごとに部品を探すことで、何時間も無駄することになるでしょう。

この場合、カメラがどのように見えるのか、設定した時にどのように動くのかという状況がその人に欠けていると、そうでない時にも物事が同じであると思ってしまいます。 レンズフードは、レンズフードです。 三脚は、三脚です。 そして、その状況におけるあるべき姿を知らないために、間違った方法で部品を分類してしまいます。

別の例としては、男性が着ている制服を見分けられない旅行者が、すべての制服を「ポーター」(ホテルで旅行者の荷物を運ぶのが仕事の人)に分類することで、それを「解決」するというものがあります。 それでその旅行者は警部に鞄を渡してしまい、拘置所の中で休暇を無駄にしてしまうことになります。

場面の理解が不足していると、何かと同じものを考えてしまう状況をもたらします。

例えば、新たに召集された陸軍中尉は、仲間の兵士を装った敵のスパイをあっさりと見逃してしまいます。 しかし、中尉のすぐ後ろにいる経験豊富な軍曹がアウトポイントを見て、スパイが軍隊のみんなと同じようには制服を着ていなかったため、すぐにスパイを逮捕してしまいます。

時とともに、データの分類も変化します。

1920年には、港付近でカメラを携えていたら、誰でもスパイでした。 1960年には、カメラを持っていない人は旅行者であるはずがないため、監視されたのです!

そのため、あるひとつの文化的な時代にある光景は、また違う文化的な時代にある光景とは異なるものです。

他にも3つの種類のアウトポイントがあり、調査で使用するためにこれらを知らなければなりません。 それらは以下の通りです。

想定された「同一性」が同一ではない

想定された「類似性」が類似していない、あるいは同じ種類ではない

想定された「相違性」が相違していない

データの処理

これらのデータの誤った処理によって、何百もの形で、人に完全に誤った印象を抱かせる可能性があります。

上記のようなものをひとつでも含むデータを基に行動を起こしたり命令を出したりすれば、過ちを犯すことになります。

理性はデータに依存している。

データが(上記のように)誤ったものであると、その答えは間違ったものとなり、道理に合わないものと見なされてしまうでしょう。

これらのデータの組み合わせは数多くあります。 ひとつ以上またはすべてのアウトポイントが、受け取った同じレポートの中に存在するかもしれません。

人の観察や観察したことに関するコミュニケーションにも、こういった非論理のひとつが入っているかもしれません。

そうなると、その状況を解決するためにいくら努力をしても、効果的に修正または処理はなされません。

使用法

何らかのまとまった情報に上記のテストが与えられれば、非論理的に行動する可能性に気付きます。

論理的な答えを得るには、論理的なデータがなくてはなりません。

つまり、上記の欠陥をひとつでも含んでいるデータは、人を非論理的な結論へと導きかねません。

不合理な命令や実行不可能な命令を出したり受け取ったりするのは、レポートに上記のような欠点がひとつ以上含まれていて、誤った結論に達したためであり、それに従って行動してしまいます。

プラスポイント

状況もしくは環境が論理的である場合には、ある状態がひとつ以上存在します。 それらは「プラスポイント」と呼ばれます。 プラスポイントは、以下に挙げた論理的な状態のリストに照らして、真実であることが明らかになった真実のデータです。

プラスポイントは、論理が存在するところ、また物事がうまく行っているところ、もしくはうまく行きそうなところを示します。

ある領域や組織で物事が改善された場合、あるいは突然何らかの向上が見られた場合、うまく行ったものを強化するため、その原因を見付け出さなくてはなりません。 このような調査には、プラスポイントを使います。

以下がプラスポイントです。

関連する事実が知られている。
(関連するすべての事実が知られている。)

正しい順序になっている出来事。
(実際の順序になっている出来事。)

示された時間。
(時間が適切に示されている。)

事実であると証明されたデータ。
(データは事実に基づくものでなければならない。つまり、真実であり、有効なもの。)

正しい相対的な重要性。
(重要なものと重要でないものが正しく分類されている。)

予期された期間。
(合理的に期待される期間内に出来事が起こる、もしくは完了する。)

十分なデータ。
(状況に影響を与え得る、省略されたデータがない。)

当てはまるデータ。
(提示されたもしくは利用可能なデータが他のことではなく、手元にある事柄に当てはまる。)

正しい源。
(間違った源ではない。)

正しいターゲット。
(その状況にとって間違った方向に向かっていない。)

同じ部類にあるデータ。
(ふたつ以上の異なる部類のデータが、同じ部類であるとして取り入れられていない。)

同一性が同一である。
(類似しているのでも異なっているのでもない。)

類似性が類似している。
(同一であるのでも異なっているのでもない。)

相違性が異なっている。
(同一のもの、あるいは類似のものとされていない。)

また同じことを行えるように、なぜ良くなったのかを調べる時には、上記のように名称で実際のプラスポイントを使い分けることがとても大切です。

結局のところ、プラスポイントが物事をうまく行くようにするものだからです。

知らないこと

人は何に関しても、必ず何かを知ることができます。

賢い人とは、矛盾するデータを突き付けられた時にも、少なくとも自分はひとつのことを知っていると認識している人のことです。自分は知らない、ということをです。

そのことがわかっていれば、事態を解明するための行動を起こすことができます。

自分が見付け出したまさにそのデータを、上記の事柄に照らして評価したら、その状況を明らかにすることができます。 そして論理的な結論へと至ることができるのです。

同じことが、あなたに当てはまります。 この情報を利用することで、物事をうまく進めることができるようになります。

ドリル

このコースで説明されている論理に対する違反について、自分自身で例を考え出す必要があります。

そうすることで、ある状況におけるデータを選り分ける技能が身に付くでしょう。

データを選り分けることができるようになり、それに熟練すれば、あなたは少々のことでは惑わされなくなります。また、いかなる状況に対しても正確な見積もりを立てる上で、重要な第一歩を踏み出したことになります。

注意:続けるために、このコースの以前のステップすべてを完了しなければなりません。 あなたの最後の未完了のステップは
注意:不正確な答えがありました。 続けるために、をもう一度読んで、それから再びあなたの理解を試してください。