データと状況の分析
正確な調査を行うためには、論理的な知識と、さまざまなアウトポイントやプラスポイントを理解している必要があります。 それらを土台にして、「実際に何が起こっているのかを調べる」ために、ふたつの一般的なステップを使います。 それらのステップとは、
- データを分析する。
- 分析したデータを使用して、状況を分析する。
データは、事実、スタティスティックス、図表、発言、決断、行動、説明で、真実だと思われているものと定義されます。
状況とは、一連のデータが存在する広範囲にわたる全般的な光景と定義されます。
例えば、パソコン販売店における新品パソコンの販売台数がスタティスティックス上で減少している時、状況があると言えるでしょう。
分析とは、よりよく理解するために何かを注意深く、詳細に調べたり、研究したりすることを意味します。 調査をする際には、データと状況の両方を分析しますが、ここではその方法を紹介します。
データを分析する方法は、そのデータを各アウトポイントに照らし合わせ、どのアウトポイントがデータの中に現れてくるかを調べることです。 (例えば、本当であるはずの発言が、実際には嘘であることが判明し、それがアウトポイントであり、虚偽であることが判明します。)
状況を分析する方法は、上記のように分析されたデータの断片をそれぞれ取り上げ、各アウトポイントを、そのアウトポイントが属する人や領域の一部に割り当てることです。 (例えば、ビルが上記の嘘を言った人だった場合、そのアウトポイントはビルの名前に入ります。) すべてのデータが分析されたら、アウトポイントを数え、どこにそれらのアウトポイントが最も入っているかを見ます。
これを行うと、最大の誤りや混乱の場所や人々がわかります。 また、最も効果的な領域(最もアウトポイントの少ない領域)もわかります。
例えば、リフレッシュメント・ユニットに問題があるとしましょう。 そのユニットには3人の従業員がいます。 その領域全体でデータ分析を行うと、多くのアウトポイントが見付かります。 それから、そのユニットで働く従業員A氏、B氏、C氏に、それらを当てはめていきます。 調査が完了すると、B氏に最もアウトポイントが多かったことがわかったとします。 このことは、リフレッシュ・ユニット内のトラブルがB氏にあることを示しており、その後、B氏に職務のトレーニングを受けさせる、時間通りに出勤させるなど、さまざまな方法で対応することができます。 主要な領域のデータを分析したことに注意してください。 各データを領域内のより小さなセクションに割り当てました。 どのセクションに最もアウトポイントが存在するかを見ることで、状況を分析し、このセクションをどうするかを考えることができます。
例えば、ビンゴ自動車工場に関して持っているすべてのデータを分析します。 分析の結果、アウトしているとわかったデータ(アウトポイント)を、ビンゴ自動車工場の各部門に当てはめます。 そのようにして、最悪な状態にある機能が何なのかを正確に突き止めます。 そうして、さまざまな方法を使って、主にその機能を組織化し、そこの役員や職員をトレーニングすることで、その機能を処理していきます。
それには、いくつかのバリエーションがあります。
手にしているすべてのデータを分析し、アウトポイントであるデータをその領域全体あるいは各部分に当てはめることによって、状況の分析を行います。 アウトポイントが最も多い部分は、修正が必要な部分です。
広範囲にわたって処理を必要とする状況に直面した時には、当然、その問題を修正する前に、何が間違っているのかを見付けるといった問題を抱えることになります。 データ分析の後に状況分析を行うステップは、何が間違っているかを発見するために用いるステップです。
これは、すべてのデータをアウトポイント(非論理)に照らして類別することで行います。 すると、アウトポイントを連ねた長いリストが出来上がります。 これがデータ分析のステップです。
私たちが現在抱えているアウトポイントを類別し、その状況の主要な領域に当てはめます。 ひとつの領域に大部分のアウトポイントが現れるでしょう。 これが状況分析のステップです。
これで、解決すべき領域がどこなのかがわかります。
例えば、全体の状況に関して70のデータがあるとしましょう。 そのうちの21のデータに、不合理な点が見付かります。 これらがアウトポイントです。 これら21のアウトポイントを、それらがもたらされた領域、あるいはそれらが当てはまる領域に当てはめていきます。 領域Gに16のアウトポイントが当てはまりました。私たちは領域Gを処理します。
経験
このような実践で驚くべきことは、データ分析を完了するのに1日掛かるかもしれませんが、これは3ヵ月分の運営経験に相当するのです。 経験を得るにはたくさんの時間が掛かりますが、データ分析および状況分析は、即座に結果が得られます。
手にしているデータをすべて分析し、アウトポイントであるデータをその領域や人に割り振ることによって状況分析を行います。 最もアウトポイントの多い領域や人に修正が必要であることを示しています。
データ分析がどれだけうまくできるかは、調査をする人がその活動の基盤となる理想的な組織や目的をどれだけ知っているかに懸かっています。 つまり、合理的あるいは論理的観点から見て、そこの活動がどのようなものであるべきかを理解していなければならない、ということです。
例えば、時計は正確に動き続け、時間を示し、実用的で好ましいデザインであるべきです。 時計の工場は、当然、時計を製造することになっています。 客が買いたいと思うほどの時計を安く生産することになっています。 そして、時計は時計工場を存続させるために十分な価格で販売しなければなりません。
工場では時計をつくるための資材を購入します。 工場はそこの道具や機材を修理、交換します。 工場内で行われる作業を監督するために、時計をつくる作業員や役員を雇っています。 時計の修理を扱っている小さな会社があります。 これらは工場から離れた場所にあります。 そして、そこはより大きな店舗(人々がそこに行き、購入することができる)に時計を販売する他の会社を持っています。
上記はすべて、時計会社の「理想的な」構造とその組織化とは何であるのかを表現しています。
それらの点は合理的で論理的です。 それが起こっているべきことであり、もしそうであれば、その時計工場はうまく行っていて、機能し続けることができることを示しています。
時計会社の現時点での実際のデータを見てみれば、アウトポイントを発見し、データ分析を行うことができます。 例えば、時計をつくるための資材が届いているはずなのに、その資材がまだ届いていないとしたら、それはアウトポイントであり、相反する事実です。
そのアウトポイントを、状況分析として会社全体に当てはめます。 この例では、この会社の財務担当が、資材を送ってくる業者への支払いを忘れていたために資材が納品されていませんでした。 ですから、このアウトポイントは財務担当に割り当てられています。
データ分析と状況分析の残りの部分がこの人物に関するアウトポイントをさらに明らかにした場合、修正する必要がある人を特定していることになります。
人は、管理運営(オフィスや組織、特定の活動を管理したり、組織したりする行動)のノウハウや技能を駆使して、最もアウトポイントの多いより小さな部分を修復します。
そうすれば、理想に近い運営が行われ、機能している時計工場になるでしょう。
どんな組織にあるいかなる問題も、このように対処します。
これらのふたつの行動を私たちは以下のように呼んでいます。
- データ分析
- 状況分析