オバート

人が害を与えることで、自分が同意した道徳律に反することをした時、これが「オバート行為」、よりシンプルには「オバート」と呼ばれるものです。

これは、自分自身、自分の家族、自分のグループ、他のあらゆる生物、または物体や所有物に対する有害な行為です。

「オバート」とは、人が行ったことで、その人が自分には起こってほしくないと思っていることです。

オバートは故意にも、偶然にも行われることがあります。

オバートは必ずしも大きなものであるとは限りません。 遅刻するという単純なこと、あるいは職場でプロの仕事を行っていないということもオバートです。 オバートにはさらに、設備にダメージを与えること、何かを上司に隠すこと、違法薬物を取ること、飲酒運転、またどのような形であれ法律を破るといったことも含まれます。

さらに、人が何かを行うべきだったのに、それを行わなかったこともオバートです。

例えば、ある子供が小さな子供を今にも叩こうとしているのを見てそれを止めなかった、またはそれについて何かをすることなく、別の方向へ歩いていくことはオバート行為になるでしょう。

ですから、オバート行為とは、単に誰かや何かを傷付けることではありません。 オバート行為とは、何かを行うこと（作為）あるいは何かをしないこと（不作為）であり、最少数の人々や生活領域に対して最小の善をもたらすものか、最大多数の人々や人生の領域に対して最大の害をもたらすものです。 これには家族、グループ、チーム、そして全体としての人類が含まるでしょう。

多くの人々が、破壊的な行動は、単にそれが破壊的だからオバートなのだと考えます。 彼らにとっては、すべての破壊的な行為も不作為もオバート行為なのです。 それは真実ではありません。 何かを破壊しないことも、オバート行為になり得ます。 例えば、毒ヘビが今にも小さな子供に噛みつこうとしているのであれば、子供を救うためにはその毒ヘビに害を与えるべきです。 害のある、あるいは破壊的な活動や物事を援助することはオバート行為になり得ます。例えば、警察から逃れる泥棒を助けることです。

「有益な行為」とは、広範囲に役立つものです。 多くの人々と生活領域に悪影響を及ぼすと思われる何かに害をもたらすことは、有益な行為になり得ます。

どのようなものにも害を与えないという考えも、あらゆるものを助けるという考えも、同様にかなり狂っています。 人々を奴隷にする人を助けることは、有益な行為と見なすことはできません。それゆえ、それはオバート行為と言えるでしょう。 けれども、病気を破壊することは有益なことであり、したがってオバートとは言えないでしょう。

ウィズホールド

人が犯したオバートで、それについて話していないこと、または今まで誰にも話していないことは、「ウィズホールド」と呼ばれます。 ウィズホールドは必ずオバートの後に来ます。

例えば、雇い主からお金を盗む女性はオバートを犯しています。 その後、彼女はそれについて誰にも話しません。そのため、それはウィズホールドとなります。

オバートをウィズホールドすることによって、人々に興味深いことが起こります。彼らは、自分が害をもたらした相手や物事とコミュニケーションを取ることをやめ、それまで活動的だった領域から身を引く（そこから離れていったり、引き下がる）ことになるのです。

Scientologyには、現在、オバートとウィズホールドによってもたらされるさまざまな問題を解決し、人々が再びグループの一部であると感じ、他の人々の信頼や友情を取り戻すことができるようにするツールがあります。