混乱に対する理解と、秩序をもたらす良いコントロールを用いれば、悪いコントロールによって混乱を引き起こす労働者と役員を容易に観察することができます。 人のコントロールを向上させる、とてもシンプルですが、極めて強力な方法があります。 これは、「リーチ＆ウィズドロー」と呼ばれるものです。

リーチするとは、何かに触れる、あるいは何かをつかむという意味です。 また、ある場所にやって来る、到着する、という意味でもあります。

ウィズドローとは、何かから引き下がる、または手放す、という意味です。

慣れ親しんでいないものに対して、十分にそれをコントロールしたり、理解したり、熟練した扱いをすることなど、誰に対しても期待しないでしょう。 何かに精通するための最も重要な部分は、それとコミュニケーションを取ることです。

誰かが、あるものとコミュニケートしていないということは、その人がそれから引き下がったままで、少しでもそれに近づこうとしたり、その部分に接触しようとしていないということです。

もし何かにリーチしたりウィズドローできないとしたら、その人は、それをコントロールすることはできないでしょう。

例えば、車とのコミュニケーションから外れている人は、正しく運転するのに困難を抱え、事故に合うかもしれません。

しかし、人が何かにリーチしてそれからウィズドローできる場合、その人はそれとコミュニケーションを取っていると言えるでしょう。

何かとコミュニケーションを取るには、それに対してコントロールできる立場にいなくてはなりません。

「リーチ&ウィズドロー」の手順は、人がコミュニケーションを取り、物体、機械、人、空間、そしてその人の周りをよりコントロールできるようになるのに役立ちます。

物体、機械、人、空間、領域とのある人のコミュニケーションを向上するのを助ける時、最適なのは、これらの物質と空間と実際に物質的に接触することです。

リーチ＆ウィズドローは、人が仕事場、特に仕事を完了させるために使う機械や物と良いコミュニケーションを取るのに、役立つ重要なツールです。

パイロットは、飛行機のすべての物と空間にリーチ＆ウィズドローを行います。それには飛行機を保管する格納庫、地球さえも含まれます。 秘書であれば、コンピュータ、電話、椅子、机などにリーチ＆ウィズドローを行います。

仕事をやり遂げるために使うツールに対して心地好く感じることは、仕事をうまく行うためのとても重要なステップです。 「リーチ&ウィズドロー」の手順を行うだけで、完了する仕事量を大きく向上させることができます。

たとえば、ある空軍士官が、彼のパイロット・チームにリーチ＆ウィズドローを使い、丸1年間、たった一度の事故もありませんでした。翼の先端が接触するといったことさえです。 一年にわたって、小さな事故さえなかったのは、過去、おそらくこの空軍パイロット・チームだけでしょう。

手順

「リーチ＆ウィズドロー」の手順は、簡単に学ぶことができます。 どのような物や領域に対しても行うことができます。 個人的な仕事場や、道具の新しい部品、機械、どのようなものに対しても行うことができます。 その人が仕事場と良いコミュニケーションを取れるようになるまで行われます。

1. あなたがリーチ＆ウィズドローを行おうとしているところまでその人を連れて行き、手順を説明します。

2. 使われる指示をその人に告げ、その人がそれを確実に理解するようにします。 使われる指示は以下の通りです。

A. 「その______にリーチしてください。」 （物体、人、領域の名を挙げ、指し示す。）

B. 「その______からウィズドローしてください。」 （物体、人、領域の名を挙げ、指し示す。）

3. その人に最初の指示を与えます。 例えば、「機械の正面にあるその大きな赤いボタンにリーチしてください。」

常に、指示を与えるたびに物体（あるいは、人、空間など）を指し示してください。そうすれば、それを行っている人が間違えることはないでしょう。

4. その人が指示を実行したら、「ありがとう」「いいですね」「結構」などと言って、その指示を行ったことにお礼を言います。

5. 彼に次の指示を与えます。 例えば、「機械の正面にあるその大きな赤いボタンからウィズドローしてください。」 その人がそれを実行したら、お礼を言います。

6. A、B、A、Bと、指示を交互に続け、その人が指示を行うたびに毎回、感謝の言葉を言い、その人に物や空間のさまざまな部分に触らせます。

7. その人が行っていることに小さな向上を得たり、物や空間に少し気分が良くなったり、ただやっていることに気分がよくなるまで「リーチ&ウィズドロー」の手順を続けてください。

8. その人の領域にある別の物、空間や人を選び、その人がその物や空間に満足するまで、再び手順を行います。

使われているものの同じ部分に延々とリーチ&ウィズドローを行わせないようにしてください。 触れている物体のさまざまな箇所や部分に行うようにします。

その行為を行っているその人と一緒に歩き回り、その人が実際に物体、空間、人々の、その箇所や領域に触れていることを確かにします。

小さな物から大きな物へと進んで行くように物体を選びます。その人が手順を行うことについて気分が良くなるか、あるいはAとBの指示のセットを何の変化もなく3回行うまで与えます。 リーチ&ウィズドローを行っている時、あなたが手順を行っている領域の壁、床、その他の部分も含めます。

物体に対してではなく、部屋や空間に対してその行為を行う場合は、その人に何度も何度もその部屋を出たり入ったりさせます。

9. その人がその空間の仕事場や物に気分良く感じ、手順を行っている領域全体に満足するまで続けてください。 彼の仕事場についての新たな意識、または仕事に対する確信など、その人が大きな向上を得たら、リーチ&ウィズドローは、その時点を越えて続けないようにします。

その人の仕事の機械、物、人々、領域、空間に「リーチ＆ウィズドロー」を行うことは、それらをその人がコントロールし、慣れ親しみ、理解する上で大いに助けとなることでしょう。