勉強の第3の障害:誤解語
の矯正法
誤解語は、その単語の意味を「クリアーにする」まで誤解されたままです。
あなたは辞書でその単語の意味を見つけ、完全なる理解を得ることで、単語をクリアーにします。
単語のすべての定義を調べ、その単語を完全に理解し、どのようにその単語を使うことができるのかを知ったとき、その単語はクリアーにされたと言うことができます。 なぜなら、あなたにとってその意味と使い方が明らかになり、その単語についてあなたが知らないことは何も無いからです。
あなたが勉強の中で出合った理解していない単語は、以下の正確な手順でクリアーにします。
単語をクリアーにするステップ
1. 読んでいる時、完全には理解していない単語の意味を調べれることができるように、良い辞書を手元に置き、利用できるようにします。 良い辞書は定義の中に難しい言葉を含んでいません。 良い辞書は、あなたが多くの他の単語を調べることなく、単語をクリアーにすることができます。
2. あなたが理解していない単語や記号に出くわしたとき、辞書で見つけてください。 複数の意味がある場合は、それぞれの定義をさっと見て、文脈の中で使われている単語を説明する、一番ふさわしいものを見つけます。 文脈とは、文章の流れの中にある意味内容のつながり具合。文と文のつながり、言葉の言葉のつながり。 例えば、「バット」という単語の文脈はこれら2つがあり、ご覧のように、文はその言葉の意味を説明する助けとなります。
1. バットを持って、ボールを打つ。
2. 彼はバットが木へと飛んでいったのを見た。
正しい文脈に当てはまる定義を読み、完全に理解していることを確かにします。 例えば、辞書では以下のようにあるかもしれません。
バット:1.スポーツでボールを
打つためにつかう棒やクラブ。 2.翼があり、
夜に飛び回る小さな
ネズミのような動物。
通常、辞書には文の中でどのように単語を使うかの例があります。 しかし、単語をクリアーにするためには、a) あなたはその単語を完全に理解し、b) それを楽に使え、c) その意味を明確に理解するまで、その単語を使ってあなた自身の文を作らなければなりません。
単語を完全に理解したら、あなたはそれについて考える必要はありません。 ただ、知っているのです。 その言葉の完全な理解を得るために10あるいはそれ以上の文をつくる必要があるかもしれません。
3. 次のステップは、その単語のその他の定義、それぞれをクリアーにします。 その定義を読み、そこに書かれている、あなたが理解していないどのような意味もクリアーにします。 理解するまで、いくつかの文の中でその意味で単語を使います。 それから次の定義を読み、文の中で使います。
このようにして、そこにあるすべての定義それぞれを文の中で使ってクリアーに、完全に理解するまで続けます。 単語にいくつかの異なった意味がある時、ただ一つの定義だけをクリアーにしただけでは、単語を完全に理解したとは言えません。 その単語が違う意味で使われているのを見たとき、理解できるべきです。 ですから、そこにあるすべての定義それぞれをクリアーにしてください。
4. 次に語源をクリアーにします。 語源とは単語の由来を意味します。 単語がどこから来たのかを知ることは、その単語の基本的な理解を得る助けとなります。
5. あなたが使っている辞書には、定義に慣用句があるかもしれません。 慣用句とは、複数の単語が組み合わさって、その単語の通常の意味とは異なる意味を持つ語句のことです。 例えば、「to catch one's eye(目を引く)」は、「人の注意を引く」という意味の慣用句です。 辞書にその単語に慣用句があった場合は、それを見て、読み、それを理解するまで文の中で使います。
6. 辞書にある、使い方の注意(用法)や類義語など、その単語についてのその他の情報もクリアーします。 類義語は、似たような意味だけれど、同じではない単語です。 例えば、「痩せた」と「細い」は類義語です。
7. もし、調べている単語の定義、慣用句、類義語の中に誤解された単語や記号があれば、すぐに上記にあげた手順で同じようにクリアーにしなければなりません。 それから、元々クリアーにしていた定義に戻ります。
辞書で使われている記号や略語の意味は、通常、その本の最初に載っているので、それらを調べることができます。 しかし、単語をクリアーにしたり、記号や略語を調べたりするのに、もし多くの時間がかかっているようなら、もっと簡単な辞書を使うべきです。
上記のステップを使って単語をクリアーにする例です。 あなたは「彼は生計を立てるために煙突を掃除したものだった」という文を読んでいるとします。でも「煙突」が何を意味するのか確信がありません。
辞書でその単語を見付け、定義にざっと目を通し、当てはまる定義を探します。 定義には「煙を外に出すための装置。長い筒を立てた形のものが多い」とあります。
「装置」が何を意味するのか確信がないので、それを調べます。 辞書には、装置は、「あることをするために、機械、道具、設備などを取り付けること。また、その仕掛けや設備」とあります。 その定義は文脈に当てはまり意味が通じるので、この単語の明確な概念が得られるまで、それをいくつかの文の中で使います。
この辞書にはその他にも「装置」の定義があり、それらをひとつひとつクリアーにし、それを使って文をつくります。
次に「装置」という単語の語源を調べます。
「装置」という単語を完全にクリアーにしたら、「煙突」に戻ります。 その定義、「煙を外に出すための装置。長い筒を立てた形のものが多い」は今では意味がわかっているので、「煙突」という単語を明確に理解するまで文の中でそれを使います。
それから、その他の定義をクリアーにします。 その辞書には廃れた(古く、今はもう使われていない)定義や、地質学(岩やミネラルの研究に関係するもの)の定義が載っているとしましょう。 これらはどちらも、一般には使われていないので、飛ばして進みます。
次に「煙突」という単語の語源をクリアーにします。 「煙」という字を漢和辞典で調べると、「煙を立てる意味の香炉の形の文字に、火を加え、燃えて煙の立つこと」とあります。「突」も同じように調べます。
その単語に類義語や、使い方の注意、慣用句があれば、それらもまたすべてクリアーにします。
これで、「煙突」をクリアーにする作業は終わりです。
すべての単語はこのようにクリアーにされるべきです。
単純な単語
辞書で単語を調べ、クリアーにするのは、最も誤解されている難しい単語や技術的な言葉だけではないことを覚えておいてください。
生徒たちのグループでの実際のテストで、最も頻繁に理解を妨げていた単語は、「て」、「に」、「を」、「は」などの単純な単語でした。
これらの単純な単語の完全な意味を得て、それらを完全に理解するためには、大きな辞書が必要です。 小さな辞書は、「これらのよく使われる小さな単語の意味は、みんなが知っている」と仮定しているように見えますが、多くの人が理解していません。
大学でとても難しい主題について何年も勉強し、卒業した人が、「や」、「で」などの単語の意味を知らないことは、ほとんど信じられないようなことです。 それは信じられないようなことですが、よくあることです。 しかし、この生徒が単語の意味を調べ、その意味を見つけると、彼の何年にも及ぶ勉強は、多くの疑問と混乱から、学んだことの確信と理解へと変り得るのです。
「クリアーにされた単語」とは何ですか?
クリアーにされた単語とは、その単語が持つ一般的な意味それぞれと、それに加えて、扱われている主題に当てはまる、その単語の技術的あるいは専門的な意味を辞書で調べ、完全に理解が得られるところまでクリアーにされた単語のことです。