コンタクト・アシスト
コンタクト・アシストは、ケガをした身体の部分を、その事故が起こった場所に正確に置くことによって行われます。 それは事故やケガのための最も一般的なアシストです。
生命の基本反応は、ケガをした場所を避けることです。 これは生存するために行われますが、合理的な思考に基づくものではありません。 例えば、人がテーブルにぶつかってケガをすると、その人はその場所に再び近付くのを避けるようになるでしょう。 その人はそのテーブルを避けているつもりでしょうが、実は、事故に遭ったその正確な場所を避けているのです。 たとえそのテーブルが片付けられたとしても、その人はケガをしたその場所を避け続けるでしょう。 これが、コンタクト・アシストを行う基本的な理由です。
事故に遭ったりケガをした正確な場所に行ける場合は、 必ずコンタクト・アシストを行います。 その後で他のアシストを行うこともできますが、必ずコンタクト・アシストを最初に行うべきです。
手順
1. アシストを始める前に応急処置を行い、その領域を秩序立てます。
2. 事故が起こった正確な場所にその人を連れていきます。 ケガの原因になった物が熱ければ、まずそれを冷まします。 その物が電気製品であれば、電源を切ります。
3. その人にこれからコンタクト・アシストを行うと伝えます。 手短に手順を説明します。
「これからあなたに、事故が起こった時と全く同じ動作を、ゆっくりと通して行うようにと言います。」
4. その人に、事故が起こる前に取っていた姿勢と全く同じ姿勢を取らせます。 手に道具を持っていた場合、あるいは道具を使っていた場合には、その道具も使って同じ動きを始めから終わりまで繰り返すべきです。
5. その人にこう言います。
「ゆっくりと、事故が起こった時と全く同じように動いてください。」
ケガをした身体の部分をその正確な場所に触れさせ、ケガをした時に起こったことを正確に行わせます。 彼のケガの原因となった物に優しく触れさせます。
その人がバラ園で指にトゲが刺さったのであれば、刺さった指の同じ箇所で、同じトゲに軽く触れさせます。 ドアに手を挟んだのであれば、その人をそこに戻らせ、ケガをした手でケガをした時と全く同じ動きをさせて、同じドアの全く同じ箇所に触れさせます。
それを行う際の指示はほとんどありません。 言葉数は少なければ少ないほどよいのです。
6. その人が指示を行ったことを示したら、「ありがとう」や「オーケー」または「いいですね」と言ってアクノレッジします。
7. これを何度も繰り返します。毎回指示を繰り返し、アクノレッジします。
8. 全く同じ身体の痛みが現れ、それから消え去り、その人が気付き(何かについての新たな理解)を得るまで続けます。 まさにこの結果を生じさせるには、全く同じ場所に触れさせなければなりません。 これが起きたら、こう告げてアシストを終了します。
「アシストを終わります。」
追加の情報
その人に無理強いしない
コンタクト・アシストは、段階を追って行わなくてはいけない場合もあります。 子供が向こうずねを芝刈り機にぶつけたとします。その子は、その芝刈り機から30メートル以内に近付こうとしません。 その子に向こうずねと身体に対してその地点(その芝刈り機から30メートル離れたところ)でコンタクト・アシストを行わせ、事故が起こった時の動作を一部始終繰り返させます。
徐々に段階を追って、その子が近付いてもいいと思う分だけ距離を縮めていきます。やがてその子は最後にはそこに行き、芝刈り機に対してコンタクト・アシストを行えるようになるでしょう。 絶対に、ケガをした場所や事故が起こった場所に、人を無理やり引きずるように連れていってはいけません。
「ひとりでやる」コンタクト・アシスト
コンタクト・アシストは自分ひとりでも行うことができますが、必ず身体の痛みが消えるまで行わなくてはいけません。
どのようなケガもコンタクト・アシストを使って対処することができますし、実際そうすべきです。 ケガをした正確な場所に行ける場合は、これがいつでもケガに対する一番のアシストです。 コンタクト・アシストの使用には限界がありません。 これは時に驚くべき結果をもたらすことがありますが、必ず助けになるものです。